2010年02月10日
厚生労働省「漢方・鍼灸を活用した日本型医療」創生へ国際標準化
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:厚生労働省

「漢方・鍼灸を活用した日本型医療の創生のための調査研究」が厚生労働省科学研究費特別研究として進められている。わが国の伝統医学をどうすべきかがテーマで、8日に東京で国際化の現状と課題が提起され、WHOでのICD-11改訂作業とISO(国際標準化機構、民間機関)での伝統医学の標準化作業が報告された。

そのうえでWHOとの協力体制の整備・国際標準化への対応とISOの現状と対応、東アジアとの連携が討議された。中国はISOで電子化(用語の統一が問題)するための情報モデルの作成に力を入れており、医療情報基盤の整備が中国の主導で行われる恐れが出ている。

WTOでのICD(国際疾病分類)は伝統医学の病名(症状所見)と証(pattern name)、治療の関係がブラッボックスになっている。このためICD-10からICD—11(中国の要請)への改訂が行われている。

日本としては、東アジアでの国際標準化が“関心の薄い”間に、電子化まで進みつつあることに、脅威を感じているわけである。中国は伝統医学とICDのダブルコーテングで国際標準化の作業、準備を進めているため、日本としては情報の遅れを取り戻す必要があるといえる。

東アジアでは中国、韓国が標準化に熱心で、これまでに鍼灸で対立したいきさつもある。日本は電子化を独自にやっても、他国との交換性がないとし、漢方、文化の多様性を重視したい。中国のようにグローバルビジネスとしてやるのはどうかという考えのようだ。

中国の動きを無視すると、ITOの標準化が先行、国際化に合わせる製品システムの費用が高くなったり、非関税方式の影響が出る恐れがあるとして、時間をかけて取り組む意向を見せている。

ただし、中国の伝統医療は約30年前から世界のマーケットに向けた取り組みをしてきており、国際的に賛同国を増やす考えだ。特許面では、「新規、進歩、有用」の基本から言えば、特許権を取得できるか、悩ましい問題である。