2010年04月05日
シンテック 塩ビ電解・モノマーの第2工場に着工 投資額1000億円
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:信越化学工業、シンテック

信越化学は5日、100%出資の米国塩ビ子会社シンテックがルイジアナ州プラクマンに、塩ビモノマー(VCM)と電解設備の第2工場建設に着手したと発表した。生産能力はVCM年産80万トン、カ性ソーダ同53万トンで、2011年の完成を目指す。投資額は約1000億円。

シンテック社はルイジアナ州にすでに約7000エーカー(約900万坪)の広大な工業用地を保有しており、2008年10月、塩ビ樹脂の原料からの一貫生産を行なう第1工場の第1期設備が稼動を開始した。現在、第1工場の第2期の増設を進めており、2010年後半に稼動の予定。第2期工事が完了すると第1工場の生産能力は、カ性ソーダ53万トン/年、塩ビモノマー80万トン/年、塩ビ樹脂60万トン/年となる。

今回の新しい計画では、第1工場に隣接した敷地に、新たに塩ビ樹脂の原料を生産する第2工場を建設する。第2期工事が完成するとプラクマン工場の生産能力は全体で、カ性ソーダ106万トン/年、塩ビモノマー160万トン/年、塩ビポリマー60万トン/年となる。

シンテック社は1974年の操業開始以来、パートナーのダウケミカル社から塩ビモノマーを購入してきた。2008年にシンテック社はダウケミカル社と塩ビモノマーの購入契約を更新しており、今後も同社から原料の調達を継続的に受ける。一方では、塩ビモノマーを自社で生産できる一貫生産体制も強化しており、複数の原料調達源を持つことにより塩ビ事業における競争力をさらに強化していくことにした。

シンテック社は世界最大の塩ビメーカーで、信越化学の塩ビ事業の世界戦略の中核をなしている。引き続き事業基盤を強化していくための体制を整えていく方針である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1270453007.doc