| 2010年07月12日 |
| 幹細胞を用いた「歯髄炎治療法」 国立長寿医療センター中島室長が講演 |
| 【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:なし |
健康医療開発センターは8日、東京で中島美砂子・国立長寿医療センター室長の「虫歯治療での永久歯の抜歯には問題がある」とする講演会を行った。同氏は4つの再生歯科医療技術を紹介、同技術による事業化構想、社会的意義・有用性、課題などを提示した。 中島室長はエナメル質、象牙質、象牙細管,歯髄から成る歯の構造を示し、従来の虫歯を削る「う蝕治療」と神経を取る「歯内治療」は、細菌侵入による歯髄炎や根尖性歯周炎(感染根管歯炎)などを起こす危険性があり、永久歯の抜歯を避け、歯髄を残したいとして、その技術を示した。 抜髄、抜歯を簡単に行うのは、有効な歯髄炎の治療薬がなく、歯髄の診断装置もないためで、無菌化を図る感染根管治療は治癒困難で時間がかかる。歯髄を抜くと歯を失う可能性が激増するという。 歯の平均寿命は54歳で、50から70歳での抜歯が多い。8020運動(80歳で20本を残す)にもかかわらず、高齢者の残存歯数の増加がほとんど見られない。歯の寿命を20-30年延ばす必要があるとしている。 中島室長は再生歯科医療技術として、深いう蝕治療における再管象牙質再生(バイオ歯移植)、歯髄炎治療におけるMMP-3(酵素)を用いた歯髄再生、抜髄、感染根管療における生物学的根管充填剤を用いた歯髄再生、う蝕,根管治療におけるナノバブルおよび超音波を用いた無菌化をあげた。 歯髄再生には酵素(MMP-3)消化による歯髄幹細胞の分離(智歯=親知らず、乳歯から分離)が、効果を表す。技術の内容については知的所有権との関連で公表できないとしている。MMP-3は歯髄炎治療薬として有効性があると示唆している。 実用化のロードマップとして10年に前臨床試験、12年に安全性試験を終え、13年にベンチャー開始、14年に輸送システム構築による各機関への再生製品提供、この間、臨床研究、治療を経て19年には、細胞加工施設の開設に進展するという構想。 再生歯科医療の市場規模を年3,00億円(国内市場の50%に応用された場合)と見込む。歯科用超音波薬剤導入700億円、アプリケータ300億円、ナノバブル150億円、シリコーン膜90億円,歯髄炎治療薬(MMP-3)25億円、抜髄、感染根管治療1,600億円、深いう蝕治療700億円、歯髄幹細胞分離器300億円など。 社会的意義では、少量の細胞で高い安全性、有効性を確保、実用化・産業化ができる。質の高い効率的な歯科医療と画期的な歯の延命化の実現、医療・福祉経済の安定化、医療費の適正化などをあげている。 |