2000年12月05日
BPAの低用量作用を否定する複数の実験結果が報告
米・NTPが内分泌かく乱化学物質問題の国際会議開催
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:なし

 国立医薬品食品衛生研究所は、5日に厚生省が開催した「第10回内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」において、先に米国で開かれた「内分泌かく乱化学物質問題低用量評価会議」での討議内容とその結果を報告した。
 同会議は、米・EPA(環境保護庁)の要請に基づいて米・NTP(国家毒性計画)がノースカロライナで10月10日から12日まで開催したもの。開催目的は「従来の生殖・発生毒性試験ガイドラインが内分泌かく乱化学物質の検出評価に適切かどうかを検討するため、同物質の低用量作用に対する科学的な証拠等を専門家によって評価すること」にあった。日本からは同研究所の担当官が参加した。
 会議では7つの専門家グループによるプレゼンテーションが行われたあと、4つのサブグループに分かれて検討され、最終日にその結果がまとめられた。ただし、その内容はまだNTPからは公表されていない。
 4つのサブパネルのうちの一つは、ビスフェノールA(BPA)の低用量作用問題を対象としたもので、いくつかの実験結果が報告されて意見が交わされた。
 同研究所によると、同パネルでは、低容量のBPAが特定のエンドポイントに影響を引き起こす証拠があるとの試験報告がある一方、逆に低用量作用を観察できない証拠があるとの実験結果も複数の異なった試験研究機関において報告されていると紹介された。陰性の研究結果には陽性実験の完全追試を行ったものもあるが、陽性実験の対照物質とされたDESもBPAと同時に陰性であったとの説明があった。
 そしてこうした点から同パネルでは、「BPAが低用量作用性を有するという実験結果は再現性のある所見として一般的に受け入れられる状況には至っていない」と認識され、「再現性の高い新たな実験法の開発が必要」と指摘されたという。
 なお、他のパネルでは、ノニルフェノール、オクチルフェノール、メトキシクロルも低用量作用は明らかでないとされた。