2010年07月27日
シノペック、石炭からのオレフィン製造計画を推進
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:SINOPEC

(上海発=特約)

シノペックは2006年に四川省達州市政府との間で、天然ガスを原料とする大規模メタノールとMTO(methanol-to-olefin) 建設の覚書に調印した。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20364

この計画は、2007年夏に国家発展改革委員会が新しい天然ガス活用政策を発表、天然ガスからのメタノール生産を禁止したため、中止となった。

しかし、シノペックは石炭原料のオレフィン計画を推進している。現在、山西省と河南省で計画を進めている。

本年5月に山西省蘭花煤炭実業集団とシノペック南京化学工業有限公司が石炭からのメタノール生産、メタノールからのオレフィン生産に関して協力契約を締結した。

両社は6月終わりに、180億人民元を投じて、山西省晋城市に石炭ベースの年産180万トンのメタノールと、これを原料とする年産60万トンのオレフィンのプラントを共同で建設する計画について話し合いを行った。

蘭花煤炭は豊富な石炭資源を有しており、シノペックは同社で開発したSMTO
(Sinopec Methanol to Olefin) 法を持ち、オレフィン誘導品について流通チャネルを持っており、相互補完の関係にある。
蘭花煤炭は上海株式市場で上場しており、年間940万トンの石炭を生産、尿素 120万トン、メタノール 37万トン、DME 20万トンの能力を持っている。

河南省ではシノペックは、既報の通り、2つの計画を進めている。

1つは、シノペックは子会社の中原石油化学の河南省濮陽市でのオレフィン多角化計画で、SMTO法により、年産60万トンのメタノールと20万トンのオレフィンを製造するもの。
シノペックは北京燕山石化に日産100トンのSMTO法のパイロットプラントを持つが、今回の20万トン計画が実証プラントとなる。
このオレフィンを利用し、既存のPEを26万トンに増強し、新たに10万トンのPPを新設する。

もう1つはシノペックと河南煤業化工集団(HNCC)が共同で、河南省鶴壁市に年産180万トンのメタノールと60万トンのオレフィンを製造するもの。

  既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=28444

中原石油化学は本年4月、河南省濮陽市で60万トンのメタノール、20万トンのオレフィンのプラントの建設を開始した。
2012年上期に生産開始を予定している。

シノペックでは更にSMTOの触媒の製造計画を進めている。上海化学工業区に年産1500トンのプラントを建設するもので、現在、環境評価の過程にある。