| 2010年08月19日 |
| 「漢方と先端医学の融合へ」酒谷薫・日大医学部教授に聞く |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:なし |
中医薬・漢方の診断技術と科学的分析が進むなか、その学術的研究を捉えて日本の先端的医学との融合で医療水準を高めようとする動きが出てきた。8月29日にはに日中交流組織として「日本中医学会」が設置されるが、設立準備委員会の酒谷薫委員長(日本大学医学部教授、脳神経外科部長)に、その目的や計画について聞いた。 ——中国の中医薬の学術的研究が進んでいると聞くが、日本中医学会設立の狙いは。 「日本には東洋医学会(1983年発足)がある。わが国の漢方は中医薬から発生したが、中国とは異なる発展を遂げ、中国の現状がよくつかめなかった。そこで専門の交流の窓口をつくろうというのが日本中医学会の設立の趣旨だ」 「日本の漢方では漢方薬とはり・きゅうが代表的だが、これまで交流がなかったので、一緒にやろうという狙いもある。糖尿病と漢方、認知症とはり・きゅうの治療関係で研究の成果がみられる。同学会設立総会には専門医、一般、歯科医師、薬剤師、はり・きゅう師など。また、中国大使館、欧米、韓国、台湾などの関係者、約200人の参加が見込まれている」 「伝統的な東洋医薬と日本がもつ西洋医学の研究を融合させれば、新しい医療技術が生まれる。シンポジウムも開催して伝統医学と現代先端医学の融合と国際交流を進めたい。同学会発足後は記念特集号の刊行、学術会議の開催(毎年)、学術情報の発信などを行う」 ——中医薬発展の経緯について。 「これまでは国際的に中医薬に西洋医薬が先行しているとみられてきたが、中国はここ数年間に政策として大学(北京、上海、広州、南京、成都の5大学。ほかに20校を数える)に中医学部を設置して、診断技術と科学的分析を奨め、レベルアップを図ってきた。この結果、若手の研究者育成が行われ、自信をつけている。新しいリーダーも育っている」 ——昨年の北京、天津に続いて、今年も中国各地を現地視察しているが、印象は。 「昨年は高齢者の認知症。今年はがんの治療に中医薬がどう対処しているかを中心に視察した。日本では認知症患者の治療法がなく、がんは西洋医学でも十分に対処できていない。がんは早期発見と治療で対処しているのだが、中医薬ではどうかをとらえたかった。中国の研究は続いている。大いに注目していい」 |