2010年09月01日
「ビジネス市場」海外で急成長、京都経済研・小堀潔氏が講演
【カテゴリー】:経営
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南アジアやアフリカ、中東などの人口増加,都市化、工業化などで拡大する水需要。年率10%以上の伸びがみられる。国別では市場規模、成長率の両面から中国、インド、サウジアラビアなどが注目されている。

こうした中、京都総合経済研究所(京都銀行系)の小堀潔・東京経済調査部上席研究員が8月30日、東京で「水問題への対応策と今後の課題」と題するセミナーを開いた。ビジネスチャンスはまず、アジア途上国にあると指摘した。大要以下の通り。

日本は技術的に優れる一方、世界的な水ビジネス企業2社(フランスのスエズ・エンバイオロメント、ヴェオリアウォター)の一貫したビジネスモデルが先行、戦略的な市場開拓が求められていると強調した。

高成長(年率5%)が見込まれる地域としては、南アジア(10.6%)、中東・北アフリカ(10.5%)、中東欧(6%)、中南米(5.9%)、東アジア・大洋州(5.6%)など。市場規模では中国(10.7%)、サウジアラビア(15.7%)、インド(11.7%)、スペイン(9.5%)などをあげている。

経産省の資料(4月)によると、水ビジネス事業分野を上水、海水淡水化、工業上水・工業下水、再利用水、下水の5分野に分け素材供給・建設と運営・管理サービスの2分野からみて、2007年の市場規模約36兆2.000億円が25年には約86兆5,00億円になるとみている。(世界人口の20%、13億人を占める中国が現在の6%から15%へ)

分野別では25年の規模が上水38.8%(07年17.2%)、海水淡水化4.4%(1.2%)、工業水・工業下水5.7%(2.4%)、再利用水2.1%(0.1%)、下水処理35.5%(15.3%)と特に上水、下水の伸びを見込む。

日本は効率的な水資源管理を行っている。また、技術面でも膜ろ過処理や逆浸透膜の要素技術が世界最高。さらに海水淡水化、産業向け超純水技術が高レベルで、水処理膜全体で60%のシエアを持つ。プラントの受注や建設でも商社やエンジニアリング会社が活躍している。

ただ、日本の水ビジネスの課題は、水道事業が公営事業として発達した結果、運用・管理ノウハウが地方自治体に偏在しており、サービスも各社各様になっている。この点、官民一体となった事業推進が必要で、海外進出にはビジネスモデルの構築が望まれる。

ビジネスモデルでいえば前述の2社のほか、米国のGEウォター、ITT、CH2Mヒル、ダウ・ケミカル、英国のテムズウォター、独シーメンス、シンガポールのハイフラックス、ケッペル、韓国のBlackなどが国際的に事業展開している。

今後の対応策としては、アジア—環境基準の策定、治水、利水、環境(下水、汚染、河川対策)の関連ビジネスとしての取り組み、ODA、国際機関の開発事業との連携、アジアとの共存などがある。