2010年09月08日
日立化成、太陽電池用導電フィルム「CFシリーズ」を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業
CFシリーズ(右)と太陽電池セル

日立化成工業は8日、“低温接続”が可能で環境対応ができる太陽電池用導電フィルム「CFシリーズ」を開発したと発表した。結晶系シリコン太陽電池セルを複数枚直列につなげる際に使用するタブ線接着用の導電フィルムで、薄膜系、有機化合物系太陽電池モジュールへの適用も可能。現在、多くのユーザーにサンプルワーク中だが、太陽電池の普及拡大を背景に、2015年度には年間売上高100億円を目指す。


現在、太陽電池の主流である結晶系シリコン太陽電池は、コスト低減のためにシリコンウエハの薄型化が進められているが、セルの電極とタブ線との接続には、はんだが使用されている。だが、はんだは高温での接続が必要なためセルへ応力が掛かり、薄いセルでは反りや割れが発生するネックがある。

最近、環境対応材料として使用される、無鉛はんだの場合は260℃以上と、さらに高温での接続が必要なことから、はんだに代わる新たな材料が求められていた。

同社が新開発した「CFシリーズ」は、熱硬化性樹脂中に導電粒子を分散させた材料であり、無鉛(RoHS指令対応)でありながら、180℃での低温接続が可能となる。これにより、環境対応を図りながら、薄いセルとタブ線との接続の際の反りや割れを抑制することができることになった。

さらに、はんだ接続で生じる、はんだの染み出しが発生しないため、セルの受光面積を広げることができ、発電効率向上にも寄与する。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1283914217.pdf