「デソライト・SCR780」を用いたランプシェード

JSRの100%子会社で光造形システム会社のディーメック(本社：東京都港区、三浦孝夫社長)は4日、実用耐熱温度が150℃で透明性・機械的特性に優れた光造形用樹脂「デソライト・SCR780」を上市したと発表した。
　
樹脂は、JSRとオランダ・DSMとの折半出資会社、日本特殊コーティング(本社：東京都港区、宇加地孝志社長）が開発した。

光造形システムは主に自動車、OA、家電、医療、精密部品などの組立工程でプロトタイプ(試作部品)の製作に用いられる。しかし透明タイプの樹脂は実用耐熱温度が80℃程度と低く、用途が限られていた。

今回上市した「デソライト・SCR780」は、耐熱性や透明性のほか、スナップフィット性(注1)、セルフタップ性(注2)にも優れた完成度の高い樹脂で、高温にさらされる部位にも適用することができる。高い透明性を有するため、例えば自動車エンジン設計のために、エンジンの一部を造形物に置き換え、高温オイルの流れを実際に観察することなど、従来不可能だった製品の試作やテストが可能となる。すでに大手ユーザーの採用が決定している。

＜用語の解説＞
（注：1)造形物による組み合せ固定(嵌合)時の割れにくさ
（注：2）造形物にねじをねじ込んだ時の割れにくさ
また、SCR780にはアンチモン化合物を用いていないため、消防法上も非危険物に分類され管理が容易。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1286173437.pdf

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