2010年10月19日
首長スチレン工業会長「10年のPS内需は73万トンの見込み」と語る
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:PSジャパン、日本スチレン工業会

日本スチレン工業会の首長信幸会長(PSジャパン社長)は19日の記者懇談会で、2010年1ー12月のポリスチレン(PS)国内需要見通しについて、「1ー9月期の国内出荷実績が51万314トンで前年同期比2%減であったことから、年間では68万トン程度(09年実績は68万7000トン)になるのではないか」と予測。それに「輸入が年間5万トン近く(同3万トン)に達する見通しであるため、合計73万トン程度になるだろう」と語った。国内出荷量と輸入の合計は昨年を上回るため「内需は底を打ったといっていい」と強調した。

PSの輸入増大について首長会長は「円高を含めた内外価格差の拡大が原因」と分析。2007年までは多い年で2万トンだった輸入が、2008年には2万5000トン、2009年には3万トンに拡大した。

今後の見通しについては「PSジャパンの戦略でいえば、品質の安定、価格の安定、供給の安定の3本で競っている。価格差だけでは(輸入増加にも)限界があるはずだ」と指摘、「年間輸入量は5万トンが壁になるのではないか」とみている。

工業会が同日まとめた9月のPS生産出荷実績について首長会長は「昨年の9月に日本ポリスチレンが事業撤退し、在庫整理があって国内出荷量が2割程度多くなった事情もあり、単純なデータの比較は意味がない」と指摘した。

1ー9月の用途別実績については、電機・工業用が10万8555トンで前年同期比7%増であり、エコポイントご追い風だったと指摘した。主力の包装用は23万5420トン、同5%減だが、輸入品や軽量化・薄肉化の影響を受けた。雑貨・産業用は5万5022トン、同25%減でポリマーと製品輸入の影響を受けた。フォームスチレン(FS)用は11万1317トン、同10%増でPSPが好調だった。

なお、スチレンモノマー(SM)の生産出荷の1ー9月実績と10年見通しは、1-9月生産が215万7165トン、前年同期比4%減、10年見通しは280万トン、内需は1ー9月実績が113万9484トン、同13%増、10年見通しは150万トン、輸出の1ー9月実績104万1749トン、同19%減、10年見通しは140万トン、出荷計の1ー9月実績が218万1233トン、同5%減、10年見通しは290万トン。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1287470616.pdf