| 2010年11月15日 |
| 【セミナー・講演】日中経済展望と日系企業の戦略のあり方(中) |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:なし |
■労働争議防止の諸対策と人事考課 (講師・華鐘コンサルテイング社長代行 楊 楽陽氏) 中国ではことし7月以降、労働争議が続発した。華南、華東地区で多発した。今回の賃上げは平均20%、多いところで40%アップもあった。未確認だが現在までに70万件(対前年比2倍)に及んでいるという。 大連でも3社に1社がストライキか賃上げ交渉により給与の14%アップを実現している。とくに労働集約型産業に集中し、紛争が起きる前に地方行政と労働組合が入り話し合いで解決するケースが多いとされる。政府が調和のとれた社会を目指し、給与を上げて消費を活性化する政策をとっていることに影響があるようだ。 中国はストライキをどうとらえているのだろうか。現憲法下ではストライキは権利としてうたわれていないが、違法行為とも決めつけていない。一般に政府は賃金にかかわる“労働紛争”として対応している。 労働争議発生の要因としては、(1)廉価な労働力による国際競争力の維持は長期的、持続的発展に不利と認識され、コスト上昇を機に技術集約型に産業構造の転換を図ろうとしていること、(2)内需開発型の発展方式に転換していること、(3)地方で現地労働者が吸収され、出稼ぎ労働者が大幅に減少していることなどがあげられる。 1980年代、1990年代生まれのワーカーは自己主張するが、忍耐がない。政府の巨大財政投資で地方の購買力が高まり、雇用が生まれている。最低賃金も上がった(7月前10〜20%、以降26%)。出稼ぎしなくても生活できる環境になっているのである。新しい時代に入ったといえる。 毎年地方政府が発表する賃上げにガイドラインは法的強制力はないものの、今後の賃金集団交渉の重要なファクターとなることが予想される。2010年のガイドラインをみると、平均15%であることがわかる。 すでに国務院に提出されている賃金条例(草案)では、賃金決定の方式、最低賃金、賃金の支給、賃金のマクロコントロール、法律責任などの内容が含まれているとされる。中核は高所得者の抑制と低所得者収入の上方修正である。 賃金集団協議と係争調停処理メカニズムについて規定した、広東省、深センなどの草案、修正案も検討されている。賃金条例に「同一労働、同一賃金」と「賃金の集団協議」が盛り込まれるのは確実である。 中華全国総工会(労働組合)では、02年から09年までのGDPが年10.13%伸びているのに対して、従業員賃金の上昇幅は8.18%(物価上昇要素を除く)であるとして賃金のアップを求めている。 (つづく) |