2010年12月03日
【セミナー・解説】LED照明とその応用・材料の最新動向
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

白色LEDの急激な進化・性能向上に伴い、LED照明は黎明期から拡大発展期に移行し、今後も需要の拡大が予想されている。一方で必要な性能や最低限の品質、安全性が担保されていないため、規格化や基準整備が急がれている。

“省エネ・長寿命”の特徴を生かし、明かりの「質」にも特徴を持つ次世代照明としてのLED照明実現に向け、ハード、ソフト両面での技術革新への取り組みが進められる状況にある。
電子情報技術産業協会(=JEITE、TEL:03ー5218ー1056)が1日、東京で電子材料セミナーを開いたので、紹介してみることにした。

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セミナーは棚橋純一・電子材料事業委員会委員長の挨拶の後、太田光一・LED照明推進協議会理事長(豊田合成常勤監査役)が「窒化物半導体LEDの歴史と最近の進展」、さらに戸田健司・新潟大学准教授、植月洋平・ナガセケムテック研究本部員、松下幸詞・パナソニック電工照明事業本部員が以下のテーマで講演(要旨)を行った。

○太田・理事長「協議会の概要と活動」(青色LEDの説明は省略)

最近のLED技術開発 : 白色LEDの発光効率(lm/w,1ワット当たりルーメン=明るさ)は1ワット当たり100/1wとなりHf直管蛍光灯に並んだが、さらに拡大する見通しにある。LEDは器具組込時の発光効率が70〜75%に降下する点は改良が必要だ。

一般的な寿命は、白熱ランプの1,000〜2,000時管間、蛍光ランプの6,000〜1万2,000時間に対し、LEDは約4万時間(光速維持70%)となった。LED照明はその明るさに比べサイズが小さいため、配置の自由度が広く、照明器具のコンパクト化が可能。

白熱灯に比べ大幅な省エネが実現でき、コストでも白熱灯に勝る効果が期待できる。経産省が2020年までに白熱電球の製造・販売を中止、省エネ照明に切り替える方針を打ち出した。CO2排出量削減のため世界で白熱電球の廃止の動きが出ている。

赤外線、紫外線をほとんど含まないLEDで、青色の光で黄色の蛍光体を使う場合、熱が少なく、虫が寄りにくいなどの特徴が出ている。

白色LEDの新しい用途としては、米ラスベガスが展示したフリーモントストリートの巨大照明(40×400メートル)、国内の信号機、車載ランプ、冷蔵庫・腕時計用光源などがある。

新しいマーケットではLEDにサファイアを使用したことで、明るさがかつての4ルーメンから20ルーメンに改良された。そして携帯電話分野やノートパソコン分野が定着した。サファイアはヤグに比べ熱に強い。がん治療への研究も進んでいる。5年後に期待。

○戸田健司・新潟大准教授(自然科学系、材料生産システム系列、自然科学研究科、素材生産科学)

白色L用蛍光体の開発動向:蛍光体(phosphor)とはルミネセンスを示す物質という言葉だが、実際には応用を目的とした粉末または薄膜の材料を意味して使われることが多い。
光を吸収して発光する材料は天然の鉱石を含め古くから知られていたが、人工的蛍光体を電子線、X線や紫外線と組み合わせた実用的な発光デバイスが幅広く使われるようになったのは、第2次世界大戦後であり、比較的新しい材料である。

(黄色、燈色、赤色、緑色、青色—黄色などの照明用白色LED蛍抗体の長所と欠点を指摘した後)CaAISIN3:Eu2+(通称カズン)は300nmから550nmの光を吸収して600nmから700nmの赤色を発光する。

カズンは低温から100度Cまでの温度範囲で発高強度の変化がほとんどない。励起バンド可視光の緑領域まで延びているため、緑色発光体と組み合わせた場合に緑色発光の一部を再吸収してしまうという問題がある。

蛍光体を利用するデバイスはビッグマーケットだが、蛍光体産業そのものは大きくはない。日本では化学メーカーがあたらしいサプライヤーとなるか、ベンチャーまたは研究所が扱うか。産学共同でのプロジェクトでの積極的な取り組みが望まれる。

日本のメーカーには日亜化学、化成オプト二クス(三菱化学)、東京化学研究所(夜光塗料)、根本特殊化学などがある。世界では米ジョージアテックがPTCOEでビッグプロジェクトを立ち上げた。欧州が拠点ではあるが、韓国サムスンフォーラムを設立し、LED蛍光体では韓国が主導権を握りそうな勢いである。

○植月洋平・ナガセケムテックス (播磨事業所研究開発本部 研究第2部第1チーム)
有機—無機ハイブリッド材料であるシルセスオキサン系樹脂のLED素子封止材への応用:白色LEDは照明のほかLCDバックライト、イルミネーション分野に伸びている。長寿命、高輝度の改善で素子からの発熱が大きくなり、高演色性,発光効率で光エネルギーの使用が増えている。光と熱に対する耐久性が求められているといえる。

従来、LED素子封止材としては透明エポキシ樹脂が使われてきた。短所は熱または光暴露で透過率が経時的の低化することである。封止材にはエポキシ系のほかガラス、ゾルゲルガラス、シリコーン樹脂などがある。
当社では透明安定性と機械特性の両立を目指し、けい素酸化物骨格を有しながらも、剛直に硬化する材料としてシルセスキオキサンを開発した。耐熱性は150度C,在来品の約80度Cに比べかなり高い。

特徴としては硬化剤との相溶性が良い、高結合エネルギー(Si-O結合)高透明性、化学変化が少ない、電子分極が小さい(低屈折率)など。

○松下幸詞・パナソニック電工 (照明事業本部LED総合企画本部)
LED照明の現状と今後の展開について:LED照明関連の法規・規格は電気用品安全法(電安法)の対象外で安全品質が保証されていない。現在、同法の対象とする作業を進めている。近く公布され、半年後、または1年後に施行される見通しである。