2010年12月21日
日立化成、「二層型異方導電フィルム」基本特許網を構築
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:日立化成工業

日立化成工業は21日、電子部品接続に用いられる異方導電フィルム(ディスプレイ用回路接続フィルム=同社製品名:アニソルム)で、種類の異なる被着体に形成された回路を接続するのに最適な「二層型異方導電フィルム」の基本特許網を構築したと発表した。

異方導電フィルムは、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの回路接続に用いられるほか、携帯電話などの回路接続に使用されるフィルムで、多数の微小回路を一括して接続するための基幹技術として幅広く利用されている。

同社は1984年に世界に先駆けて同製品の製造販売を開始以来、世界のトップシェアを維持してきた。

近年、電子デバイスの多様化に伴い、種類の異なる被着体に形成された回路を接続する接続方式が増えており、半導体実装分野では、低コスト化・高接続信頼性に対応した新しい実装形態として、IC チップを直接プリント基板やフレキシブル配線板に搭載するフリップチップ実装などが注目されている。

だが、種類の異なる被着体に形成された回路を接続した場合、被着体の熱膨張率の差に起因するストレスが接続部で発生し、接続信頼性が低下するという問題があり、これを解決する技術が求められていた。

同社は、異方導電フィルムを二層化し、それぞれの層の物性を樹脂組成や、配合を見直し・最適化することにより、異なる被着体の接続部での接続抵抗の増大や接着層の剥離を防ぎ、接続信頼性を大幅に向上させることができる技術を開発した。これにより、多様化した電子デバイスの生産性向上に貢献できるとしている。

同社は今年10月、国内で3件の発明特許を取得したが、海外ではすでに中国、韓国、米国、欧州、シンガポールで特許が登録されており、ワールドワイドで特許網を構築することに成功した。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1292905274.pdf

(英文)
Basic Patent Network Constructed for Double-Layered Anisotropic Conductive Films
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1292913617.pdf