| 2010年12月22日 |
| 相次ぐSBR各社の海外工場進出「国内のエチレン設備縮小」に不安 |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:なし |
日本ゼオンが22日、シンガポールに合成ゴム「S−SBR」の新工場建設を発表したが、このところSBRメーカーの新増設計画発表が盛んだ。最近だけでも、JSRが8月2日、旭化成ケミカルズが10月18日、住友化学も11月25日に発表しており、今回の日本ゼオンを加えて、大手各社の計画が出揃ったかたちだ。 しかもJSRを除く3社はシンガポールに新工場を建設する。理由はいくつか挙げられる。まず各社に共通しているのは、国内での主原料ブタジエン調達への将来の不安だ。わが国石化業界は、内需の低迷や国際競争の激化予想から千葉(三井化学・出光興産)、水島(旭化成・三菱化学)などでエチレンプラントの再構築検討が進んでいる。 一方、自動車タイヤ業界は石化ほど深刻ではない。タイヤの需要は中国を中心とするアジア市場で今後も拡大が続く。国内にしても低燃費タイヤへの切り替えなど環境意識の高まりを背景になお高水準の操業が期待できる。そこで合成ゴムメーカーにとっては、将来にわたってブタジエンをどう安定確保していくかが、きわめて重要な課題となってくる。 日本ゼオンの伏見好正取締役常務執行役員は、22日の記者会見で「立地は初めからアジアに絞り、ブタジエンの調達を前提に数カ所をチェックした。総合的に判断してシンガポールが最適と判断した」と語った。日本のなお高い法人税なども判断材料の一つになったようだ。また、国内各社の進出計画が重なることについては「それ以上の需要が期待できる」と、気にかけていないようだった。 <最近発表された3社の工場建設計画> 【JSR】(2010年8月2日発表) ◇立地 :四日市工場 ◇設備 :S−SBR及びダイナロン・水添ポリマー(溶液重合法) ◇能力 :年産2万5,000トンを増強して6万トンに。 ◇完成 :2011年11月 【旭化成ケミカルズ】(2010年10月18日発表) ◇立地 :シンガポール・ジュロン島(テンブス地区) ◇設備 :S−SBR(省燃費型高性能タイヤ用) ◇能力 :第1期年産5万トン、第2期同5万トン(溶液重合法) ◇稼動 :2013年6月(第1期)、2015年前半(第2期) 【住友化学】(2010年11月25日発表) ◇立地 :シンガポール・ジュロン島(メルバウ地区) ◇設備 :S−SBR(高性能省燃費タイヤ用) ◇能力 :年産4万トン(溶液重合法) ◇稼動 :2013年第4四半期 |