2011年01月05日
「世界化学年」各社トップの年頭挨拶に“意気込み”
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、昭和電工、新日鐵化学、住友化学、日本触媒、三井化学、三菱ケミカルホールディングス

化学業界が迎えた新しい年、2011年は、キュリー夫人のノーベル賞受賞100周年を記念する「世界化学年」。しかも昨年は、鈴木章、根岸英一両教授がノーベル化学賞を受賞するという快挙もあって、各社トップの年頭挨拶には例年にない明るさが見られたが、一方では厳しい国際競争への対応に“意気込み”も感じられた。

三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は、「ちょうど今年4月からは新中計“APTSIS15”が始まる。世界化学年とスタートが重なるのは象徴的なことだ」と強調。グループ4事業会社に対して「ただ頑張るだけでなく“協奏”することも大切だ」と説き、「2011年は、“KAITEKI”を目指す三菱ケミカルHDの美しいハーモニーが世界中に広がる年になるだろう」と期待を込めた。

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三井化学の田中稔一社長は「昨年は両先生がノーベル化学賞を受賞され、今年は世界化学年。まさに“化学の出番”がきた」とし、「2011年から始まる3カ年中計は、成長基盤構築の上で重要だ」と説いた。また、2013年の営業利益目標1000億円の達成だけでなく、「新たに設定した環境軸・社会軸目標の達成に向けて“攻めの姿勢”で頑張ろう」とハッパ(?)をかけた。

ニュースリリース参照
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旭化成も2011年は新中計スタート年となる。藤原健嗣社長は「“新たな変革”を迎えるこの1〜2年の対応こそ今後を左右する重要な時期になる」と強調。この変化に対応し、勝ち残るために「世界ナンバー・ワン戦略の加速」と、グループ各社の経営資源を集めての「新しい社会構造に合致した新事業創出」を図るとし、社員に対しては「変化に挑戦してほしい」と訴えた。

ニュースリリース参照
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住友化学の廣瀬博社長は、この1年、社員に心がけてほしいこととして「徹底的に知恵を出し、一致団結して難局にチャレンジする」ことを挙げた。国内外の事業環境はこれまでにないスピードで変化し、パラダイムも大きくシフトしている。「状況判断を的確に行い、リスクを解析し、対応策に知恵を絞ってほしい。アクティブに行動し前進を続けていくことが大切だ」と訓示した。

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昭和電工の市川秀夫社長は、4日付で社長に就任したばかり。新中計「ペガサス」もこの日からスタートした。「国際競争に勝ち抜き“グローバル市場で存在感のある化学企業”となるために、グループの力を結集し事業基盤の強化を図ろう」と呼びかける。ハードディスクと黒鉛電極事業を“両翼”に拡大を目指すと張り切る。同社の略称「SDK」になぞらえ、(S)すばやく(D)大胆に(K)行動しようを合言葉にする。

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日本触媒の近藤忠夫社長は、今期の業績が順調なことから「中計目標値は初年度に超える予想だが、2年目の11年度以降を“本番”と見て取り組もう」と呼びかけた。個別事業については「電材・新エネ材料事業の育成・拡大とともにアクリル酸、SAP、EOなど既存事業の収益改善を図る」と今後に意気込みを見せた。今年は創立70周年の節目の年。「CSR活動、コンプライアンス重視、安全の確保にも努める」よう説いた。

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新日鐵化学の二村文友社長は「グランドデザインと業革プロジェクト」の両輪で“改革実行の年”を目指すとの高い企業理念を掲げた。事業部門別課題で、機能材料事業本部については「わが社が成長していくための強力なエンジン」と位置づけ「一つひとつは小さくても市場ニーズを捉えた新規開発商品を次々と投入し、収益の柱となる高付加価値商品群を築きあげる」よう求めた。

ニュースリリース参照
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