2001年03月06日
産総研「電圧標準用ジョセフィン素子」世界初の開発に成功
コンパクトな電圧標準システムの普及に貢献期待
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省産業技術総合研究所は6日、電子技術総合研究所が液体ヘリウムの不要な電圧標準用新型ジョセフィン素子の開発に世界で初めて成功したと発表した。
 このジョセフィン素子は窒化ニオブ(NbN)を電極素材にしており、絶対温度10℃で作動させることができる。このためこれを採用することにより、液体ヘリウムを使わずに小型冷凍機を装備したコンパクトな電圧標準システムの実現が可能になる。
 従来は液体ヘリウムの供給が不可欠なため、電圧標準システムの普及は先進国に限られていたが、今後は開発途上国に拡大していくことが期待できる。
 現在ジョセフィン素子を利用した電圧標準システムは日本、米国、ドイツ、フランス、英国、韓国など世界28カ国で第1次標準として採用されているが、これまではジョセフィン素子を極低温で冷却するために常時液体ヘリウムを供給し続けなければならない、などの問題をかかえていた。
 今回開発を担当した電子技術総合研究所電子デバイス部の東海林彰主任研究官らは「今後は新型ジョセフィン素子とプログラマブル電圧標準方式を採用した電圧標準システムを数年以内に開発したい」といっている。
 またこれらの技術成果は民間企業に移管し、システムの生産、販売を行っていく計画だという。

[ご参考]
◇ジョセフィン素子=非常に薄い絶縁膜のある常伝導金属膜を挟む2つの超伝導体によって構成される電子素子。
◇窒化ニオブ(NbN)ジョセフィン素子=NbNを電極の素材とした素子で電子技術総合研究所がジョセフィン素子として開発した。小型冷凍機により、10℃の絶対温度で作動させることができる。