2011年03月14日
地震:化学工場の影響、三菱化学鹿島など操業停止
【カテゴリー】:環境/安全(経営)
【関連企業・団体】:クレハ、住友化学、三菱化学、JX日鉱日石エネルギー

 東日本巨大地震の被害は化学業界にも深刻となっている。
 
 三菱化学の鹿島事業所(茨城県神栖市)は、エチレンやポリエチレンなど全プラントの操業を停止。設備の損害やけが人は確認されていない。現在安全を確認中だが、操業再開のめどは立っていない。物資補給の見込みが立たず、製品出荷も中止している。工場従業員800人、グループ企業も含め2000人の社員・家族の被災状況確認を急いでいる。
 
 クレハはいわき事業所(福島県)と樹脂加工事業所(茨城県小美玉市)が操業停止中。主力工場であるいわき事業所は、小名浜港から約2キロ内陸部にあり、浸水被害はなかった。ただ、水素貯蔵タンク配管に小破裂が起きた。一時着火したが直ぐに消しとめた。地震で2人が転倒し軽いけがを負った。
 
 住友化学千葉工場(千葉県市原市、袖ケ浦市)は、設備への被害はなくエチレンは運転を継続。ポリエチレン、ポリプロピレンなどの製造プラントが自動停止した。今後安全を確認しながら除々に立ち上げる。
 
 JX日鉱日石エネルギーは関東以北の仙台、鹿島、根岸3製油所が停止中。仙台製油所は地震発生直後から自動停止中だが、その後陸上出荷用小分けタンクに引火し、14日午後現在なお炎上中である。

余震が続いているため再開の見通しは立っていない。川崎製造所(旧日石化学)も現在停止中。水島製油所は操業中。
 
三井化学は千葉・市原工場のエチレンプラントをはじめ主要装置は平常通り操業中。一部千葉フェノールと三井デュポンポリケミカルが停止中。また千葉・茂原工場(アクリルアマイド、トナー用樹脂などを生産)と、鹿島工場(ウレタン原料)が操業停止中。

 
■注:ケムネット東京は、今後各社の状況が分かり次第、順次追加してお伝えします。