2001年02月27日
昭和高分子の上海BMC/VE生産子会社に大日本インキが20%出資
BMC5,000トン設備は3月/VE3,600トン設備は来年4月稼動
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:昭和高分子、大日本インキ化学工業

 昭和高分子は27日、上海のBMC(バルク・モールディング・コンパウンド)およびVE(ビニルエステル樹脂)生産・販売子会社である上海昭和高分子有限公司に、大日本インキ化学工業(DIC)が20%出資することで合意した、と発表した。また上海昭和高分子は、3月にもBMC年産5,000トン設備を稼働させる予定で、VE3,600トン設備も来年4月に稼働する。昭和高分子とDICは、以前から原料取引やSMC(シート・モールディング・コンパウンド)の相互生産委託を行っており、今回の合意はこれに続く協力関係の強化策となる。
 上海昭和高分子は、昭和高分子の重点事業であるBMC・VEの海外展開の一環として、今後の成長が期待される中国およびアジア周辺市場への製品供給を目的に昨年7月に設立された。第1期計画として、BMC設備の建設を進めてきたが、5,000トン設備が今年3月に稼働するほか、来年4月にはVE3,600トン設備の稼働を予定している。両設備の完成により昭和高分子は、供給体制のさらなる多角化によるサービスの充実と国際競争力の一層の向上が可能になるとしている。
 今回の新設計画にともなって昭和高分子は、BMCの主原料である不飽和ポリエステルをはじめ、VEの原料であるエポキシ樹脂についても、中国で日本と同等製品を安定購入すべく、調達先の検討を進めていた。これに対しDICは、1995年に中国・常州で不飽和ポリエステルの合弁会社常州華日新材有限公司を、1997年には中国・無錫に無錫DICエポキシ樹脂有限公司を設立、両原料を生産しており、それぞれの稼働率の向上により事業基盤の強化を目指していた。
 今回の上海昭和高分子へのDICの資本参加は、両社のこれらの意図が合致したことから成立したもので、この結果両社は国内に加え海外でも緊密な協力関係を構築することになるとしている。