2011年06月14日
小林・三菱ケミカル社長、「M&A対象はライフサイエンス、機能製品群」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱ケミカルホールディングス
小林喜光社長

三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は14日記者会見し、中期経営計画「APTSIS 15」に基づく事業の進捗状況につて「環境変化は激しいが、全体的には順調に推移している」と語った。

まず東日本大震災の影響と対応状況については、鹿島事業所のエチレン2号機(1号機は定修中で6月末に操業再開予定)が5月20日に再開(定修を8月に延期)したのをはじめ、東北6県に広がる田辺三菱製薬や三菱樹脂、MRCユニテックなどグループ企業の各事業所も再開した。震災による業績への影響として2012年3月期に営業利益で260億円の減益、当別損失100円の計上を見込んでいるが、小林社長は「5カ年計画の中計(2011年度—2015年度)の目標を修正するほどではない」とし、2015年度の目標(営業利益4000億円、経常利益3300億円)が計画通りに達成できる見通しを示した。

中計の骨格については、「アジア・南米・東欧・中東で期待できるコモディテイ品、日・米・欧におけるスペシャリティ製品との2面作戦を進め成長を加速する」とした。

基本戦略と施策では、「将来を見据えた創造事業の育成・展開、さらに戦略的投資によるアライアンスおよびM&Aの実施」を推進する。M&Aの方向については、「ライスサイエンス、機能製品群の領域を中心に考えることになる。当社の弱いところを補完する」と指摘した。

とくに、白色LED照明・部材、有機EL(有機光半導体)では、「部材技術と、Verbatinブランド販売網の強みを活かす」とし、医薬品部門では「2011年に上市する新製品が目白押しなので、今年は期待している」と強調した。