2001年02月22日
住友化学、重点分野しぼり「選択と集中」
事業部間連携でシナジー効果も
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学工業の米倉弘昌社長が発表した中期経営計画は、石油化学、基礎化学、無機化学、農業化学、医薬の5事業について、重点や目標を定めた内容となっているが、大きな特徴は「選択と集中」による収益体質の強化と「創造的ハイブリットケミストリー」、つまり研究部門も含めた事業間連携によるシナジー効果の発揮、にあるといってよい。
 同社はこれまで塩ビ事業からの撤退、ABS事業の再編、PP(ポリプロピレン)のS&B,農薬事業での買収など、積極的に「選択と集中」を行ってきたが、今後もさらにこれを積極的に進め、とくにポリオレフィン、ライフサイエンスのほか第3の柱となる情報電子材料を最重点分野として強化していく。
 また、事業面の相乗効果ではバイオ技術を化学品製造工程に生かすほか、有機・高分子と無機技術の融合による新材料の開発などが期待できる。資金面でも石油化学で安定したキャッシュフローを確保し、ライフサイエンスなど高収益部門に投入するなどを考えたいとしている。
 同社は2003年度の全グループ売上高1兆2,300億円、税引後利益500億円、ROE10%、株主資本比率30~35%、また2005年度は売上高1兆6,000億円、税引後利益700億円、ROE10%以上、株主資本比率30~35%の業績を見込んでいる。