2011年07月21日
日立化成、曲げにつよい転写形透明導電フィルムを開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業

日立化成工業は21日、各種基板に転写・接着でき、フレキシブル性に優れ導電性と高透明性を両立するタッチパネル用転写形透明導電フィルムを米国のベンチャー企業と共同開発したと発表した。

2012年9月までに山崎事業所(日立市)に月産数十万平方メートルの生産体制を整え、有機EL、電子ペーパー、太陽電池など幅広い分野への用途展開し、2015年度には年間60億円の売り上げを目指す。

このところ、スマートフォンやタブレットPC 市場の拡大を背景に、タッチパネル向け透明導電フィルムの需要が急拡大しているが、現在のタッチパネル向け透明導電膜には、主にガラス基板にITO(酸化インジウムスズ)が用いられている。

この場合、ガラス基板には、割れやすい、重いなどの課題があるため、解決方法としてポリカーボネート(ポリカ)フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等への代替が進んでいる。だがITO 被膜は、曲げに弱く、画面サイズの大型化に伴い配線抵抗値を増加させるなどの問題があった。  

同社は今回、米国のベンチャー企業 Cambrios Technologies Corp.(本社:米国カリフォルニア)と共同で、高いフレキシブル性を持ち、ガラスだけでなく、ポリカフィルム、PETフィルムなどのプラスチック基板、立体的な形状を持つさまざまな基材にも転写・接着できる、タッチパネル用転写形透明導電フィルムを開発した。今後、これらの特性を生かして、市場拡大に注力していく方針である。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1311214505.pdf