2011年09月15日
東北大と日立、超小型頭部近赤外光計測装置の試作機を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立製作所、科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は14日、東北大学加齢医学研究所と日立製作所が共同で、脳活動に伴う前頭葉部分の血液量の変化を簡単に計測できる超小型頭部近赤外光計測装置の試作機の開発に成功したと発表した。

東北大学が脳機能イメージングの知見をもとに研究で必要な要素を提示し、日立が試作機の基本原理とシステムを開発した。

試作機は、頭部に装着するワイヤレスのヘッドセットと、計測結果を表示するコンピュータ用アプリケーションの2点で構成している。

測定した信号を処理する主要回路の1つをLSIに集約し、信号処理基板の面積を日立の従来製品に比べて約10分の1にしてヘッドに内蔵した。これにより、測定した信号を、コンピュータなどを経由せずに、直接ヘッドセット内で高速処理することが可能となった。

ヘッドセットはワイヤレスで、その重量は約90グラムと軽量化に成功したうえ、デザインを改良することで高い装着性を実現した。

この成果により、日常に近い状況で前頭葉部分の血液量の変化が簡単に計測可能となったことから、脳科学をはじめ認知学、心理学、教育学など幅広い分野での活用が期待される。