2011年09月16日
栄研化学、「HAT」遺伝子検査法を開発、アフリカで臨床試験
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:栄研化学

栄研化学(本社:東京都台東区)ハ16日、FIND(Foundation for Innovative New Diagnostics、本部:ジュネーブ)と共同で、マリ共和国で開催されている「第31回トリパノソーマ症研究・抑制国際科学会議(ISCTRC)」において、LAMP法を利用したアフリカ睡眠病(HAT)の簡易な遺伝子迅速検査法の開発を完了したため、コンゴ民主共和国とウガンダでの臨床試験を開始すると報告したと発表した。

栄研化学とFIND は、LAMP 法を利用した結核の簡易・迅速な遺伝子検査法の共同開発を2005年から開始し、その技術を2008年からマラリア、HAT の診断法の開発に拡大してきた。

現在、HATは血液または髄液中の寄生虫を顕微鏡検査で検出することで診断されており、高感度な検査法が緊急に求められていた。栄研化学は、最小限の機器をで、血液採取から判定までを1時間以内に終えるという遺伝子迅速診断法を開発してきたが、今回、設計・開発を終了し、FIND に対して研究用試薬として発売を開始した。

FIND はこれを用いてコンゴ民主共和国とウガンダでの臨床試験を開始することになった。


【用語の解説】
・HAT(Human African Trypanosomiasis)とは :
HAT は、ツェツェバエに刺されることによって感染する寄生虫疾患。サハラ以南の36カ国で見られ、年間6,000 万人が感染の危険にさらされている。症状は、初め(第1期)は発熱・頭痛・関節痛などが起こるが、症状に気付かない場合が多い。第2期では、原虫が血液を通過して中枢神経系に障害が現れる。まず、神経痛や錯乱、躁鬱が現れ、睡眠周期が乱れて昼夜が逆転する。治療を受けないと最後は昏睡して100%死に至る。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1316153955.pdf