2011年09月28日
小林三菱ケミカル社長「空洞化対策は、国際的なイコールフッティングで」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学会、三菱ケミカルホールディングス
小林喜光・三菱ケミカルHD社長

日本化学会主催、世界化学年日本委員会の共催、日本学術会議及び日本化学工業協会の後援で、「世界化学年記念シンポジウム/化学が未来をリードする条件は?」が28日、東京都文京区の東京大学安田講堂で開催された。

シンポジウムでは、小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長、野依良治・理化学研究所理事長、上田隆之・経済産業省製造産業局長の3氏が産学官を代表して参加し、わが国の化学をより深化させ、化学産業を強化・発展させ、国際競争に打ち勝ちプレゼンスを高め、社会のニーズに応えるために、化学及び化学産業が果たすべき役割について講演した。

この中で小林社長は、21世紀を取り巻く事業経営、4次元経営とMOSSの提案、KAITEKI化学への挑戦―について講演した。とくに、「化学企業が生き残るためには、スペシャリティとコモディティの二面作戦が必要だ」とし、「単なるモノづくりだけでなく、サービスも含めたイノベーション構築が必要である」と語った。

また、「日本の製造業が生きていくには、新エネルギー、環境系、ライフサイエンスで常に先端を走ることが必要だ」と説いた。

さらに、現在の化学産業は「税制、円高、電力コストなど7重苦に見舞われている。当社にも日本の製造拠点だけが赤字という事業もある」と指摘し、「有効な国内空洞化対策は、日本の仕組みを国際的なイコールフッティングにすることだ」と強調した。