2011年10月06日
ブラジル農薬会社の株式、日本の3社が同時に取得
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日産化学、三井化学、クミアイ化学

ブラジルの農薬会社、イハラブラス社(IHARABRAS S.A.)の発行済み株式を取得したと6日、三井化学、クミアイ化学、日産化学の3社が相次いで発表した。三井化学は11.89%、クミアイ化学は3.15%、日産化学は3.0%をそれぞれ取得した。

いずれも譲渡先は日系現地法人、カヤタニ社(AGROINVEST KAYATANI S.A.)となっており、理由はわからないが「カヤタニ社は今回、全保有株式を3社に分譲したことになる」という(クミアイ化学)。

クミアイ化学によると、もともとイハラブラス社は、クミアイ化学の前身であるイハラ農薬と三井物産が1965年に共同で設立した農薬製造会社(当時はINDUSUTRIAS QUIMICAS MITSUI-IHARA S.A)だった。その後のブラジル経済の悪化で経営が維持できなくなり、カヤタニに経営権を譲渡したいきさつがある。

イハラブラス社の全容は、日本ではつかみにくい。資本金や株主構成なども正確には不明である。
しかし、大手株主は(1)日本曹達 28%(2)住友商事 22%(3)クミアイ化学 22%(関係会社分を含む)の順となっており、今回の三井化学と日産化学は新規の資本参加となる。現地資本も多少入っているもようだ。

イハラブラスは、ブラジルでは第9位の農薬メーカーだが、三井化学によると、現地では同社が開発した新規殺虫剤事業化のため、政府に製造販売承認を申請中である。

ブラジルは世界第2位の農業大国であり、経済成長も著しい。三井化学など3社が今回、現地進出に期待しこぞって出資参加を決めたのには、十分すぎるほどの理由があるといえそうだ。

【イハラブラス社の会社概要】
(1)社名 IHARABRAS S.A. INDUSTRIAS QUIMICAS
(2)所在地 ブラジル サンパウロ州 ソロカバ市
(3) 設立 1965年3月18日
(4) 売上高(2010年) 498百万レアル(約250億円)