2011年10月24日
シノペック、S-MTO計画を推進
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:SINOPEC

(上海発=特約)

シノペックは石炭原料のS-MTO( SINOPEC Methanol-To-Olefins)計画を推進している。


10月10日、シノペック中原石化は河南省濮陽市で最初のS-MTO計画をスタートさせ、エチレンとプロピレンがオンスペックとなった。

投資額は15億人民元で、メタノール 60万トンからオレフィン 20万トンを生産、これから、PP 10万トン、PE 6万トンを生産する。
建設は2010年4月に始まり、PPは7月、MTOは8月にメカニカルコンプリーションとなった。


なお、中原石化の既存設備はエチレン 18万トン、PE 20万トン、PP 6万トン。

本計画では原料メタノールは外部調達する。シノペック中原石化は河南煤業化工集団(HCCIG)中原大化(Dahua Chemical )との間で年間36万トンのメタノール売買契約を締結している。


S-MTOプロセスはシノペック上海石油精製研究(SRIPT)、シノペックエンジニアリング、シノペック北京燕山石化により共同で開発された。2007年に燕山石化が日産100トンのパイロットプラントを建設、2008年にメタノール投入ベースで年産180万トンのS-MTOプロセスの技術パッケージが完成した。

ASIACHEM Consultingのデータでは、シノペックはこのほかに3つのS-MTO計画を推進している。

(1)貴州省畢節市織金県

シノペックは本年9月末に貴州省畢節市織金県で石炭ペースポリオレフィンの建設を開始した。
フェース1として180億人民元を投じ、PE 30万トン、PP 30万トンを製造するもので、2014年に生産開始の予定。

シノペックは2010年10月に貴州省政府との間で戦略的協力協定を締結した。
総額815億人民元を投じ、近代的な石炭化学産業を創出するとともに、石油・ガスの開発、石油パイプラインと流通ネットワークの建設を行い、畢節市織金県循環経済新地区に新エネルギー・化学地域の建設を加速する。

今回のCoal-To-Olefin計画はこの第一段階となる。

(2)安徽省淮南市

シノペックと皖北煤電集団の50/50JVの安徽中安聯合煤化工公司が安徽省淮南市でS-MTO計画(オレフィン年産60万トン)を建設中。2010年12月に建設を開始、2013年末にスタートの予定。


(3)河南省鶴壁市

シノペックと河南煤業化工集団(HCCIG)が共同で鶴壁市寶山産業区で年産180万トン(メタノール投入ベース)のMTO建設を計画している。

現在同産業区で建設中の年産60万トンのメタノール設備を購入し、新たに120万トンのメガプラントを新設する。


なお、2010年5月に山西省蘭花煤炭実業集団とシノペック南京化学工業が石炭からのメタノール生産、メタノールからのオレフィン生産に関して協力契約を締結したと報告したが、本件についてはその後進展は見られない。

既報  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/29501