2001年02月07日
中国からL-Lの引き合いが活発に
国際的な需給のタイト化に対応
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:伊藤忠商事、エクソンモービル

 伊藤忠商事など大手商社によると、ここにきて中国からL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)に対する輸出引き合いがにわかに活発になってきた。オファー価格も旧正月休み前に比べてトン当たり20~30ドル上がっている。ただし、わが国のL-LDPEメーカーは輸出余力をあまり持っていないので、現在のオファー価格では直ちに要求に応じることにはならないと見られる。
 大手商社など関係筋では、中国が最近になってわが国に活発に引き合いを寄せてくるようになった要因は、サウジアラビア勢の同樹脂の新増設プラントの立ち上げが軒並み当初の予定より遅れたことと、シンガポールのエクソンモービルケミカルの年産48万トン設備の操業開始がエチレンプラントの付帯ボイラーの火災事故によって大幅にずれ込むことが確実になってきたことなどで国際需給バランスが急速にタイト化してきた点にあると分析している。
 現在のオファー価格はC&F同660~670ドルどころにある。しかしわが国や韓国のL-LDPEメーカーがこれに応じなければさらに数10ドル引き上げられるのではないかと見られている。当面は、同700ドルが攻防ラインとなりそう。