2011年11月10日
NIMS、酸化物型燃料電池の長期安定性の原因を初めて解明
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

物質・材料研究機構(NIMS)は9日、豪州のクイーンズランド大学、中国の大連工科大学および中国科学院大学と共同で、独立分散電源用酸化物型燃料電池(SOFC)の長期安定性に甚大な影響を与えるクラスター構造を、透過電子顕微鏡観察とその結果に基づく計算機シミュレーションにより初めて明らかにしたと発表した。

これまで、SOFCを用いた家庭用燃料電池の開発や大型発電用システム開発が活発に行われてきたが、性能面で要求を十分に満たすデバイスが作製できる一方で、信頼性や寿命の観点で不安定要素が残り、実用化の大きな妨げとなっていた。

今回の実験では、高性能な試料と性能低下が大きな試料について、ナノスケールの欠陥構造を高分解能透過電子顕微鏡を用いて観察し、その特徴を計算機シミュレーションにより解析した。

その結果、性能低下の原因であると従来より指摘されてきた「酸素欠陥クラスター構造」とは異なる構造を持つ「新規な酸素欠陥クラスター構造」が材料内に生成し相転移を引き起こすために、燃料電池材料の信頼性や耐久性に悪影響を与えることを初めて突き止めた。