2011年12月14日
帝人化成、特殊PC樹脂で世界最高水準の高表面硬度を実現
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人化成

帝人化成(本社・東京都千代田区、酒井和幸社長)はこのほど、高い透明性や耐衝撃性など、ポリカーボネート(PC)樹脂本来の特徴を損なうことなく、PC樹脂として世界最高水準の高い表面硬度を実現した特殊PC樹脂の開発に成功した。今後、量産体制の確立に向け実用化の検討を進める。

開発した特殊PC樹脂は、樹脂の分子設計から見直すことで、高い透明性や耐衝撃性などPC樹脂本来の優れた特徴を維持したまま、表面硬度をPC樹脂として世界最高水準の「H」まで高めることに成功した。

流動性もPC樹脂と同等の高さを有しているため、薄肉成形にも適している。

また、表面保護のためのハードコーティングや塗装が不要となり、「コーティングレス」や「塗装レス」を実現することで、生産効率の向上やコーティング・塗装による環境負荷の低減、トータルコストの削減が期待できる。

同社は、こうした特徴を活かし、自動車の内装やOA機器・スマートフォンといったエレクトロニクス製品の筐体などを中心に、幅広い用途展開を進める方針である。5年後に年産数百トン規模を目指し、量産化体制確立に向けた実用化検討を進める方針である。