2001年02月01日
アジア諸国からわが国にエチレン輸出の引き合い活発
シンガポールの大型プラントの操業遅延必至の観測広がる
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:エクソンモービル

 わが国のエチレンセンターや大手商社に対する極東やアセアン諸国からのエチレンの輸出引き合いがここにきてにわかに活発になってきた。
 韓国やインドネシアなどの大手石油化学企業が当面の品不足の解消のため緊急にスポット契約したいと要求してきているもので、韓国の三星綜合化学などは、取り敢えず2~3万トンを日本から手当てしたい意向を示しているという。
 こぅした動きは、シンガポールのエクソンモービル・ケミカルの新鋭エチレンプラント(年産80万トン能力)の立ち上がりが4月以降にずれ込む公算が強いとの観測がアジアの石油化学関係者や商社筋に広がってきたことによるものと見られる。
 同装置の操業開始は昨年12月はじめに発生したボイラーの火災事故の影響で大幅に遅れており、当初にエクソンモービルが関係需要家筋に伝えていた3月末の操業入りも最近は微妙視されている。このため、かねてエクソンモービルからエチレンの供給を受けることを前提に石油化学製品の生産計画を立てていたアジア各国の石化企業の間には危機感が広まり、急きょ日本の応援を求めるところが出始めたもの。価格面で折り合いがつけば、契約するところも出てこよう。