2012年02月09日
日立化成、プリンテッドエレクトロニクス向け銅膜形成技術開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業
配線パターン

日立化成工業は9日、プリンテッドエレクトロニクス(印刷法で電子部品・部材を形成する)に適した銅膜形成技術を開発したと発表した。

配線板などに金属配線を形成する際、必要な個所のみに銅膜を形成することができるため、ユーザーにとっては原材料や副資材の使用量が減り生産コストの削減になる。

現在、配線板に金属配線を形成する方法としてはフォトリソ法が一般的だが同法の場合、基板全面に金属膜を形成し、フォトマスクとエッチング法を使用して配線に必要な部分のみを残すという作業が必要だった。このため、マスク代がかかるほか、不要部分やそれを取り除く材料が廃棄物となっていた。

そこで同法にかわる方法として、必要な部分にのみ配線を形成できるプリンテッドエレクトロニクスの研究が国内外で進められてきた。

銅膜断面図
日立化成は今回、インクジェット印刷法やスクリーン印刷法に適した銅膜形成技術を開発した。
同技術を用いて形成した銅膜は、180℃以下の気相処理でありながら、従来の銅めっきと同等の緻密な銅膜を形成できる。

現在複数の顧客に向けて印刷用インクやペーストをサンプル提供中で、数年内の実用化を目指す。

【用語の解説】
■プリンテッドエレクトロニクス :インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法で配線や電子部品(ディスプレイ、電子デバイス)の部材を形成する技術の総称。工程簡略化、省資源化、大型化、フレキシブル対応などが期待されている。プリンタブルエレクトロニクスとも呼ばれる。

■気相処理 :気体による導体化処理(本材料を基板に塗付した後、電気を通す状態にするための後処理)、銅めっきなどの液相処理に比べて液管理、装置面積、廃液処理の負担が軽減される。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1328764184.pdf