2012年02月13日
ミヨシ油脂、「飛灰用重金属処理剤」撤退、東ソーに敗訴
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ミヨシ油脂

ミヨシ油脂(本社:東京都葛飾区、山田修社長)は13日、東ソーと特許係争中のピペラジン系飛灰用重金属固定化処理剤について、最高裁への上告手続きを取り下げ、昨年12月22日に出た知的財産高等裁判所による第2審判決(敗訴)を受け入れると発表した。弁護士らと協議した結果これ以上正当性を主張することは難しいと判断、役員会で決議した。

これにより同社は、前回判決に従い、(1)直ちに飛灰用重金属固定化処理剤の製造を中止し(2)同処理剤を廃棄する。また(3)東ソーに対して賠償金(18億円)を支払う。

同社は、同処理剤を名古屋工場で製造し、商品名「エポルバ」シリーズとして、工場排水やごみ焼却灰に含まれる重金属処理向けに販売してきた。

2011年12月22日、知的財産高等裁判所から「東ソーの製造特許を侵害している」として、製造差し止めや賠償金支払いを命じる、第2審判決が下され、同月26日、これを不服として最高裁に上告手続きを行なった。

ミヨシ油脂は今後、同処理剤の事業化から手を引く。
ただ対象品目が「飛灰用処理剤」のため、水処理用など対象以外の商品は、引き続き製造販売していく方針。
業績への影響については「売上高でみて、全体の2~3%程度」としている。