2012年07月10日
積水化学、三菱樹脂の管材事業を譲り受け
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化学工業、三菱樹脂
左から黒山、石澤、高見、石井の各氏

積水化学と三菱樹脂の両社は10日、塩ビ管など三菱樹脂が持つ管材事業のほぼ全てを積水化学が譲り受けることで合意したと発表した。国内塩ビ管生産2位の積水化学と3位の三菱樹脂の事業統合により、積水化学はクボタを抜いて業界トップの塩ビ管メーカーとなる。譲渡条件などは非開示。三菱樹脂にとっては売上高合計で約230億円規模になるという。

記者会見には、積水化学の高見浩三専務(環境・ライフラインカンパニー プレジデント)、石井寅男常務執行役員、三菱樹脂から石澤隆志代表取締役常務執行役員、黒山薫取締役常務執行役員の4氏が出席。

三菱樹脂が譲渡するのは、
(1)管材事業に関する人員、資産、契約、知的財産権等(架橋ポリエチレン管など一部を除く)
(2)販売子会社の三菱樹脂販売、菱樹商事両社の管材事業に関わる人員、契約等
(3)菱琵テクノの管材関連機械設備の一部
(4)管材関連子会4社(東洋化学産業、羽生プラスチック、無錫積菱塑料有限公司、エムアンドエスパイプシステムズ)の株式。

管材関連市場は、柱となる住宅着工件数の減少や公共投資の縮減などから03年をピークに下降局面を迎え、業界を取り巻く事業環境は厳しさを増していた。

事業譲渡によって、積水化学は環境・ライフラインカンパニーを中心に管材事業の「総合力展開」に取り組む。一方の三菱樹脂は同事業からの撤退によって、一層の経営効率化を図る。

積水化学の高見専務は「国内で成功しない事業が海外でうまくいく筈はないが、今後は世界に負けない、効率的なシステムを開発して、海外展開にも力を入れていきたい」と、海外市場を視野に、体制を強化していく考えを示した。


ニュースリリース参照
〇積水化学
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1341909743.pdf

〇三菱樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1341904783.pdf