| 2001年01月10日 |
| 白川博士がノーベル賞受賞記念講演 |
| 「日本の研究レベル高い」おだやかな口調で |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:なし |
“導電性ポリマーの発見と開発”で昨年、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士(筑波大学名誉教授)の記念講演会が9日、高分子学会の主催で開かれた。会場となった東京・大手町の経団連ホールは、時間前から化学業界首脳クラスや第一線研究者らでぎっしり埋まった。 用意されていた講演テーマは「物質科学-化学と物理学の融合」だったが、演壇に立った博士は、会場に資料が配られていたこともあってか「少し堅苦しいようだ」と急きょ変更、一時間余りにわたって、昨年10月受賞が決ったときのいきさつやマスコミへの対応、ストックホルムでの授賞式のもようなどから語りはじめた。 ソフトな人柄そのままに、終始くだけた口調。続いて同時受賞した米カリフォルニア大のアラン・ヒーガー、米ペンシルベニア大のアラン・マクダイアミッド両教授との出会いやエピソードを紹介、最後に自身の研究対象である物質科学に触れた。 博士は、高分子研究の歴史をふり返り、ポリスチレン、塩ビ樹脂が開発された1950年以前を第一世代、より性能の高いポリエチレンが生れた1950~1965年を第二世代、ポリイミドのようなスペシャリティ・ポリマーが開発された1965年以後を第三世代と位置づけ、「導電性ポリマーをもった今は第四世代に入ったといってよい。将来の可能性は大きい」と強調、日本の高分子研究のレベルについても「世界的にも米国と同等といえると思う」と、いくつかの例を挙げて説いた。 わかりやすく、ていねいな話しぶり。ときにはユーモアが交じる。「ストックホルムで専用リムジンが用意され、自由に使えと言ってくれたときは感激したが、あとで料金は賞金から引いて置くと言われた」など、会場から大きな笑い声があがる場面が何度もみられた。最後に「今回受賞した3人は、研究分野は少しずつ違うが、一つの方向を共有していた。フィルムを発見したのは偶然だが、人との出会いがいかに大切かをつくづく知らされた」と示唆に富んだ言葉で締めくくった。 |