2012年10月31日
クラレ・クレハ合弁会社、LiB電池向け植物系ハードカーボン新設
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:クラレ、クレハ

クラレケミカルとクレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(KBMJ)が今年8月に折半出資で設立したバイオハードカーボン(本社・岡山県備前市、岩脇伸夫社長)は31日、植物系リチウムイオン電池(LiB)向け植物系ハードカーボンの生産設備を新設すると発表した。

新設備は、約30億円を投じてクラレケミカル鶴海工場(岡山県備前市)で年産1000トン規模を第一期設備(セミコマーシャルプラント)として建設し、2013年10月の稼働開始を目指す。

LiB市場は、携帯電話やノートパソコンなどの民生用を中心に拡大してきたが、今後はハイブリッド車・電気自動車などの車載用市場の急速な拡大が見込まれている。

主に民生用LiB向け負極材として使用されてきた黒鉛に比べ、耐久性や充放電特性に優れ車載用LiB向け負極材として適した石油ピッチ系ハードカーボンの製造技術をクレハ・グループが保有している。

一方、KBMJが現在販売している石油系ピッチ系ハードカーボンに加え、クレハ・グループと植物原料精製技術を保有するクラレ・グループが共同で開発した新規植物系ハードカーボンを、KBMJが市場拡大の見込まれる車載分野を中心に展開している。

将来の布石となる年産1000トンのセミコマーシャルプラント生産品を通じて、ユーザー認証、市場開発を加速するする方針である。生産設備は、車載用ハードカーボン系負極材の市場拡大に合わせて増強していく考えである。