2000年12月21日
ダイセル化学、長繊維強化樹脂を本格上市~ティコナから技術ライセンス
2002年度に売上20億円目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:ダイセル化学、ダイセルポリマー

 ダイセル化学工業は21日、米国ティコナからの技術導入により1997年から市場調査を行ってきた長繊維強化樹脂について、各方面からの活発な引合に基づき販売規模の拡大を見込めるとして、このほど同社と技術導入ライセンス契約を締結、「長繊維強化樹脂開発班」を設置して本格上市する事を決定した、と発表した。
 長繊維強化樹脂は、ティコナの有している特殊な製造技術に基づき、従来の短繊維強化樹脂とは異なり、通常よりも長い樹脂ペレット中に同じ長さの繊維を強化でき(通常の樹脂ペレットの長さは3ミリメートル程度だが、ダイセルの長繊維樹脂ペレットの長さは12ミリメートルが標準)、かつ繊維量の高濃度化を可能にする樹脂で、加工技術のノウハウとの組合せにより、短繊維強化樹脂よりはるかに高い強度を実現できる樹脂であるとしている
 対象とする用途は、電機・電子、諸工業、自動車など多くの分野にわたっているが、特に自動車分野では軽量化ニーズにマッチした金属代替に最適な材料として高い評価を得ているという。
 適応繊維は、ガラス、カーボン、ステンレスなど、また適応する樹脂の種類は、PP(ポリプロピレン)やポリアミド(ナイロン樹脂)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PC/PSアロイ、PC/ABSアロイなど。「プラストロン」(英文名:PLASTRON)のブランドで販売し、2002年度に20億円の売上高を目指す考え。
 なお、本事業は、2001年1月4日から営業を開始する樹脂事業の新会社「ダイセルポリマー」に2年後をめどに事業移管し、特殊コンパウンド事業のひとつの柱としてさらに育成していく方針。