| 2012年11月21日 |
| 十倉・住友化学社長「グローバル経営深化」に意欲 |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学の十倉雅和社長は21日記者会見し、最近の業績や経営課題、事業戦略などについて現状や抱負を語った。 この中で、石油化学事業の今後の展開について「サウジのペトロ・ラービグ社が第2期計画段階に入るので、バルク製品はサウジで展開し、シンガポールを高付加価値製品の供給拠点とする。千葉工場はマザー工場として重要なので、生産技術・製品・ノウハウの発信拠点としても活用していきたい」と語った。 地域コンビナートの再編問題については、質問に答え「方向性は一致しており、話し合いも進んでいる。千葉工場が2015年に定修を迎えるので、できればそれに間に合わせたい」と、期待を込めた。 経営上の最重要課題として(1)財務基盤の強化(2)次世代事業の開発(3)グローバル経営の深化ーの3つをあげた。 このうち、財務基盤については「大型事業の早期収益化」、「不採算事業の整理・撤収」などの収益改善や投資の厳選によって、現在1兆700億円の有利子負債残高を2015年度末までに9000億円未満まで縮小する方針。間接費も研究費の効率化や業務改善により本社固定費を中心に150億円削減する。 次世代事業の開発は「環境エネルギー」、「ライフサイエンス」、「ICT(情報通信技術)」の3分野を中心に展開し「創造的ハイブリッド・ケミストリー」確立を目指す。2015年をめどに超高効率PV(エピウエハー)、有機EL照明、パワー半導体、CO2分離などの事業を本格展開する。 同社の2012年度通期業績は、売上高 20,200億円(前年比721億円増)、営業利益 650億円(43億円増)、経常利益 620億円(113億円増) 純利益 100億円(44億円増)となる見込み。 売上高を国内・海外で比較すると、2011年度は売上高19,479億円のうち国内は9,389億円、海外は10,090億円で海外売上高比率は52%だった。十倉社長は「化学分野はもちろん情報電子や医農薬などもさらに積極的にグローバル展開していきたい。全体の3分の2は海外市場で売り上げていきたい」と国内市場が伸び悩む中、グローバル経営拡大に意欲をみせた。 |