2012年12月26日
日本合成化学、ガスバリア性EVOH樹脂 米国で増設
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本合成化学

日本合成化学工業は26日、ハイガスバリア性EVOH樹脂「ソアノール」(商品名)の需要が世界的に堅調なため、米国子会社のNOLTEX社で生産設備の増設を決めたと発表した。

NOLTEX社は1994年の設立。資本金6,350万ドルで日本合成化学の100%出資。
工場はテキサス州ヒューストンのデュポン工場内にある。当初はデュポンがEVOH樹脂を事業化するために自社技術で建設したが、運転が不調だったため、日本合成化学がプラントを買い取り事業を引き継いだという経緯がある。

現有能力は年産2.3万トンだが、今回年産1.5万トン増設し、3.8万トンに拡大する。
完成は2014年第4四半期の予定。設備投資額は明らかにしていないが、1トン当たり約100万円が目安としている。

EVOH樹脂はエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂で、ガスバリア性に優れ、主に食品包装材として使用されている。需要は欧米市場での堅調な成長に加えて、中国をはじめとするアジア、南米などの新興市場でも更なる需要拡大が見込まれている。

同社は現在、水島工場(岡山県)に年産1万トン、NOLTEX社(米国)に2.3万トン、NIPPON GOHSEI UK社(英国)に1.8万トンと、世界の3拠点に計5.1万トンの生産設備を持つが、増設完了後は同6.6万トンに拡大する。