2000年12月15日
産技審、丸善石化グループの「HIDiC」研究支援へ
省エネ効果高く「COP6」達成に貢献と期待
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:丸善石油化学

 通産省は地球温暖化対策推進のため新しい省エネ、代替エネ技術の研究に取り組んでいる企業を積極的に支援していく方針だが、産業技術審議会基本問題検討小委員会はこのほど第3回ワーキンググループを開き、支援対象候補として11件の開発テーマを選定した。
 11件のうちバイオマスの導入や利用に関するものが6件を占めているが、石油化学関連の技術では丸善石油化学などの共同研究チームが取り組んでいる「HIDiC」(内部熱交換型蒸留塔)プロセスが“当選”し、関係者を喜ばせている。
 開発テーマの選考は、工業技術院が全国の大学や研究所から公募した。応募件数は約50件、「HIDiC」は国立研究機関から推せんがあったという。 ワーキンググループはそれらの1つ1つを一定基準の下でチェックし“ふるい”にかけた。開発テーマは新エネルギーの開発、エネルギー利用の効率化、CO2の回収、固定化、CO2以外の温室効果ガスの排出抑制の4部門からなり、いずれも未利用資源の有効利用や省エネなどCO2排出量の大幅削減につながり、2010年頃には実用化できることなどを前提に選んだ。
 通産省では先の「COP6」協議に基づき、今後わが国のCO2削減目標6%の達成に全力をあげる。6%のうち3分の1の2%は、これら新技術の導入によってカバーしたいとしている。
 「HIDiC」はエンジニアリング会社の木村化工機、丸善石化、関西化学機械製作所、工技院物質研の4者共同チームによって開発が進められているもので、すでに丸善石化千葉工場内のベンチプラントでベンゼン、トルエンの蒸留に30%以上の省エネ効果があることが実証されている。