2013年01月22日
高見澤スチレン工会長、「PSの需給改善に期待」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:PSジャパン、日本スチレン工業会

日本スチレン工業会の高見澤博之会長(PSジャパン社長)は22日の定例記者懇談会で、「ポリスチレン(PS)の輸入が2012年は8万トン台半ばと前年から約2万トン増加し国内品を圧迫したが、今年は輸入水準、出荷水準ともに改善すると期待している」と、輸入増・内需減傾向に歯止めがかかるとの見通しを明らかにした。理由として、特に「為替が円安に振れたことと、復興需要が期待できる」の2つをあげた。

同工業会が同日発表した2012年1-12月のPSの生産出荷実績によると、生産は63万3268トン、前年比6%減で1984年以降では最低の水準に落ち込んだ。これは、ユーザーの海外生産シフトが進んだ電機・工業用の低迷や、円高を背景にした輸出の減少、輸入の増加が大きく影響した。

国内出荷は、62万1810トン、同4%減で、生産と同じく1984年以降最低の水準に落ち込んだ。このうち電機・工業用は9万9254トン、同13%減で過去最大を記録した1991年の41万トンの4分の1以下のレベルに落ち込んだ。とくにデジタル家電の落ち込みが大きく、じり貧状態となっている。このほか、雑貨・産業用を除き包装用、フォームスチレン(FS)用が減少した。
輸出は4294トン、同15%減と低迷が続いたのが影響して出荷計は64万867トン、同5%減となった。

一方、スチレンモノマー(SM)の生産は、239万1690トンで前年比12%減と大幅な減産になり、2007年の353万トンをピークに低迷が続いている。国内出荷は135万3776トン、同6%減となり、2009年のリーマンショック時の出荷量を下回った。輸出は103万5913トン、同21%減と大きく落ち込んだ。この結果、出荷計は238万9689トン、同13%と大幅に落ち込んだ。


ニュースリリース
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