2013年01月29日
日立化成、タッチパネル用透明導電フィルム量産へ
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:日立化成

日立化成は29日、タッチパネル用薄膜透明導電フィルム「Transparent Conductive Transfer Film(TCTF)」の量産体制を構築すると発表した。山崎事業所(茨城県日立市)に新製造ラインを導入する。2013年10月の稼働開始をめざす。

近年、タッチパネルは、スマートフォン、タブレットPCなどのほか、ノートパソコンやデスクトップパソコン等にも採用が広がっている。タッチパネルの材料である透明導電フィルムの需要も急拡大している。

タッチパネル用フィルムには、これまで多くITO(酸化インジウムスズ)が使用されてきた。
しかし、ITOフィルムには蒸着などに大型設備が必要な上、加工プロセス工程が多く、生産効率を高めることが難しかった。またタッチパネルの画面大型化に伴い、タッチした位置の特定精度が落ちるなどの課題もあった。

日立化成は2011年、米国企業が開発した銀ナノワイヤ導電インク「クリアオーム」(注)と、同社のプリント配線板用感光性フィルム技術を組み合わせた、銀ナノワイヤと感光層の2層構造によるTCTFを開発した。

真空プロセスを一切必要とせず、基板に転写・接着し、露光とアルカリ現像によりファインパターンを形成できるため、加工プロセスを短縮し、生産効率が向上する。大型化による配線抵抗値の増加を抑制でき、ITO並みの導電性と高透明性を両立させることができる。

<用語の解説>
■クリアオーム(ClearOhm.) :米国 Cambrios Technologies Corp.社の商標。クリアオーム(ClearOhm.)は同社が開発した銀ナノワイヤ導電インクで、現行のITO や他の透明導電酸化膜に比べ、自然な色調の透明導電層を形成できる。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1359434103.pdf