2000年12月04日
東洋スチレン、PS4次値上げ交渉が徐々に進展
1割で浸透/少なくとも年内は10%減産を継続
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業、東洋スチレン、日本ポリスチレン

 東洋スチレンは、今年夏に打ち出していたPS(ポリスチレン)の4次値上げ交渉が徐々に本格化してきている。すでに一部で決着しており、年内には少なくとも50%以上の浸透を目指す考え。
 同社は、自社によるコスト改善努力だけでは最近の原料高騰を吸収することは困難と判断、7月末にキログラム当たり10円の値上げを打ち出した。その後、やや遅れて9~10月にかけてエー・アンド・エム(A&M)スチレンをはじめ、日本ポリスチレン、出光石油化学、大日本インキ化学工業と、各社が原料高騰を理由に値上げを打ち出している。このためPSの値上げ機運は高まっているが、その後の海外市況の下落などもあってユーザーの反応が鈍い状態が続いている。
 こうしたなか東洋スチレンは、敢えて一斉値上げとせず、緊急を要する部分から早急に決着する方針で交渉を進めており、「1割程度のユーザーと決着」(東洋スチレン・松上孝社長)している。このため、年内には「50%程度の浸透を目指す」(同)方針で、少なくとも年内は10%程度の減産を継続、その後も状況に応じてこれを継続していく考えだ。