2013年08月02日
石化協、四日市で第9回事故事例巡回セミナー
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:なし
事故事例巡回セミナー会場

石化協は7月30日、JSR四日市研修センター(三重県)で9回目となる「事故事例巡回セミナー」を開催した。

講師役の猿丸浩平・元三菱化学理事・安全工学センター長が「近年の事故事例を学ぶ」、清水健康元旭化成ケミカルズ環境安全部長が「化学プラントの保安力と現場管理者の役割」と題し安全確保に何が大切かを説いた。

周辺地域の15社から約90人の保安管理責任者が出席し、熱心に聞いた。

<講演概要>
■「近年の事故事例を学ぶ」
最近の化学プラントの重大事故等の原因は多くの共通点が存在しており、これらの本質を理解することが重要である。また、事故の原因は単一ではなく、さまざまな要因が重なり合った結果として発生していることから、多面的に考察することが重要だ。
事故防止のためには、大きなハザードが想定される事象には多重化された保安対策と想定実地訓練が必要であり、設備変更時の設計思想等を含めたリスクアセスメント及び教育を行なうことも重要である。
また、日本と欧米の保安に対する考え方には違いがあり、例えば、日本では「努力することで事故は防げる」と考えているのに対し、欧米では「事故は努力しても技術レベルに応じて起こるものである」との違いがあげられる。

■「化学プラントの保安力と現場管理者の役割」
過去の事故発生状況を見てみると、およそ10年周期で事故が発生しており、過去の事故・トラブル状況調査、自身の経験を合わせて考えると、事故は繰り返すという思いに至る。いくら再発防止対策をしても最後は人の問題である。更には、兆候を嗅ぎ取り、何が問題か論理的に考え、実施内容を決め、明確な指示を出して人を動かすことが現場管理者のはずであるが、現実には、なかなかそのとおりにはできず、同じようなトラブル、事故が繰り返されている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1375408919.pdf