2013年12月26日
産総研、世界初・糖鎖マーカーで肝線維化検査技術
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO、産業技術総合研究所

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は26日、産業技術総合研究所とシスメックスが共同で、NEDOプロジェクトの成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカーを用いて血液検査により判定する試薬を開発し、肝線維化検査技術の実用化に成功したと発表した。

糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維化技術の実用化は、これが世界で初めて。これにより、進行する肝臓がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変へ至る、ウイルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、医療機関の臨床検査室などで、従来技術よりも短時間で測定することが可能になる。

基礎研究の段階では、測定に約18時間を要していたが、今回、医療機関の臨床検査室で実施する診断システムとして開発した結果、わずか17分程度での測定を実現することに成功した。

検査技術の実用化により、入院を必要とせず採血のみで肝臓の線維化の進行度を測定することができるため、ウイルス性慢性肝炎の治療における患者の負担軽減が期待される。