2014年02月14日
味の素と京大iPS細胞研、iPS・ES細胞用の培地を共同開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:味の素

味の素は13日、京都大学iPS細胞研究所(京大CiRA、所長・山中伸弥教授)と共同で、再生医療を想定した動物・ヒト由来の成分を含まない安全性の高いiPS・ES細胞用の培地「StemFit」AK03の開発に成功したと発表した。

味の素では、この成果を生かし、世界初のiPS細胞を用いた網膜再生医療による治療を目指すヘリオス(本社・東京都中央区、鍵本忠尚社長)に、この培地を提供することを決めた。

味の素は今回、同社の分析・配合技術と京大CiRAのiPS細胞に関する知見・研究成果を組み合わせ、培養に必須の因子を最適な比率で配合することにより、iPS細胞およびES細胞(胚性幹細胞)を長期にわたり安定的に増殖することが可能なAK03培地の開発に成功した。

この培地は、再生医療に使うことを想定し、バイオ技術で作成したリコンビナントタンパク質を利用することにより、動物やヒトに由来する成分を全く含まず、精製された成分のみで構成されている。

味の素では、今後この培地の開発・工業化を進め、2016年に販売を開始する予定である。その後、再生医療の拡大に伴い、2025年にはAK03をはじめとする再生医療用培地のグローバルでの売り上げ400億円を目指す。