2000年11月09日
SM、アジア市況は600ドルに下落~米国玉流入の影響続く
来年の旧正月明けまでは大きな変動なしとの見方も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 SM(スチレンモノマー)のアジア市況は、当初底値と見られていたトン当たり650ドルをさらに下回る600ドル前後まで下落している。依然として続いている米国からの輸入玉の流入が影響している格好だ。しかし、米国のSMメーカーは減産体制に入っており、さらなる大幅な下落には至らないと見られる。ただし、当面は再度上昇するような材料もなく、来年の旧正月明けまでは、大幅な変動はないとの見方も出ている。
 アジア市況は、9月末に820~830ドルへ上昇、10月に入り中国の国慶節を境に再び下降局面に突入、同月末には700ドルを割り込んだ。その後も下落傾向が続いていたが、中国のユーザーを中心に650ドルを底値に反転するとの期待が高まっていた。しかし、現在は600ドルまで下がっている。
 このようにSMのアジア市況が下落した要因の一つには、米国のスチレン製品市場の落ち込みが挙げられる。米国のPS(ポリスチレン)、ABS樹脂などのスチレン系樹脂メーカーは、今年上期中に米国経済の好調を当て込んで樹脂を生産したため過剰在庫となり、現在は在庫調整局面に入っている。これに追い打ちをかけるように樹脂の需要自体が冷え込み、結果的にSMとしての需要が減少しており、余剰となった玉がアジアに流入しているもの。米国のSMメーカーも、こうした状況を憂慮して、各社15%前後の減産体制に入ったと見られているが、それでも11~12月にかけて毎月3万トン前後がアジア地域に入ってくる見通しっで、その価格はCIFベースですでに600ドルを割り込んでいると見られている。
 市場関係者は、「実際にアジア市況が600ドルを割り込むと完全な採算割れとなるため、この辺りが底となるのではないか」と見ているが、一方で今後の見通しについては、「今春以降、FCFC(台湾化学繊維)、SADAF、スペイン・レプソルYPFの3社が新設備を稼動し、ここに来てようやく正常な運転を開始しており、世界全体の需給バランスから見て、一時的に需給が緩んでしまうのは仕方がない所だ。このため昨年のように設備トラブルが頻発するような事態にならない限り、来年の旧正月明けまで市況は上にも、下にも大きく動くことはないだろう」としている。