2000年11月08日
出光ユニテック、韓国・東レセハンとスパンボンド不織布で提携
PPスパンボンド不織布の柔軟性改良技術をライセンス
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:出光ユニテック、東レ、三井化学

 出光ユニテックは8日、韓国の合繊・フィルムメーカーである東レセハン(TSI)に対し、同社が保有しているPP(ポリプロピレン)スパンボンド不織布の柔軟性改良技術をライセンスし、同不織布の製造・販売に関する提携関係をさらに深めることで合意した、と発表した。
 同社のPPスパンボンド不織布の柔軟性改良技術は、樹脂の改質などにより不織布の柔軟性を改良するもので、現在5件の特許を申請している。この技術を用いることにより、特に紙おむつなど衛生材料向けの販売展開に大きく寄与すると見ている。すでに10月から国内外で販促活動をスタートしており、2001年度には5,000トンの販売を目指している。
 一方、TSIは、現在PPスパンボンド不織布3系列年産2万トン(PP単体タイプ2系列、SMSタイプ1系列)のほか、PET(ポリエステル)スパンボンド不織布1系列4,000トン設備を有しており、さらに12月完成をめどに、SMSタイプのPPスパンボンド不織布設備1系列1万トン設備の建設を進めている。この増設により、同社のアジアにおけるPPスパンボンド不織布設備能力は、三井化学の5系列3万6,000トンに次ぐ規模に拡大、世界的にもトップレベルに躍進する。
 出光ユニテックとTSIは、1998年からTSIの製造するPPスパンボンド不織布の日本国内における販売で提携関係にある。今回の技術ライセンスにより、TSIが紙おむつなど衛生材料向けの不織布を製造、研究開発を出光ユニテックが担当、販売を両社共同で行う体制とし、役割分担がさらに強化される。
 なおSMSとは、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドの3層構成のスパンボンド不織布のこと。