2014年06月26日
日立化成、太陽電池封止シート材開発 変換効率向上
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成

日立化成は26日、太陽電池の封止シート向けに、太陽光発電の変換効率向上に貢献する波長変換粒子を開発、五井事業所(千葉県)に量産体制を確立したため、封止シートメーカー向けに本格販売を開始すると発表した。
また蛍光灯などの下では見えないが、紫外線を当てると浮かび上がるという光学機能を生かして、証書やラベルなどの偽造防止分野への用途展開も図る。3年後の2017年の売上高20億円を見込む。

太陽光発電は、再生可能エネルギーとして世界各国で普及が拡大しているが、日照量や日照時間によって発電量が左右されやすい。このため、太陽光から発電量をどう上げるかという変換効率の向上が課題となっている。

日立化成は太陽電池の封止シート向けに、発電効率向上を可能にする波長変換粒子を開発し、サンプル提供を行ってきた。今回、量産体制を確立したため、本格販売を開始する。

この波長変換粒子は、アクリル樹脂粒子内に蛍光体粒子を含有させたもので、これまで発電に利用できなかった短波長の光(紫外線)を長波長の光(可視光)に変換する機能を持つ。この粒子を使用した封止シート(波長変換フィルム)を太陽電池モジュールに用いた場合、最大2.2%程度の変換効率向上が見込まれる。

粒子は耐久性に優れたアクリル樹脂に分散させているため、太陽電池モジュールの耐久性を損なわない。封止シートメーカーがこの粒子をシートに混合させる際、従来プロセスを変更する必要がなく、生産性には影響なく変換効率を向上させることができる、などの特徴がある。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1403751361.pdf