2014年07月17日
農研機構・オルガノなど、高純度セラミドの連続生産技術を開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:オルガノ、農林水産省

農林水産省の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、オルガノ、日本製粉と共同で、米ぬかから95%以上の高純度セラミドを工業的に連続生産する技術を世界で初めて開発したと発表した。

高純度セラミドは、色、臭いがほとんどなく、皮膚に含まれる保湿成分で、皮膚への塗布、経口摂取により保湿などの効果が期待されることから、化粧品や医薬品、機能性食品の原料、研究用途としての利用が期待される。

現在市場に出ているセラミドは、純度10%程度の低純度品であり、夾雑物(セラミド以外の90%の成分)に由来する色や臭いがあるものもあり、用途が限られている。高純度なセラミドは、色、臭いがほとんどなく、澱(おり)も生じないため、透明な化粧液や医薬品、研究用途に使用できる。

現在、主流となっている植物セラミドには、ステロール配糖体が必ず混在する。これは、セラミドと分離が困難で、セラミドを高純度化する上で問題となっていた。今回、共同研究グループは、工業的なクロマト分離技術(疑似移動層クロマトグラフィー)を応用することで、純粋なセラミドの工業的な分離に成功した。

通常のセラミドは、複数のセラミド種の混合体であるが、今回の技術を応用すれば、セラミド種ごとの製造が可能になる。

今回開発した技術は、米ぬか以外のものを素材とする植物セラミドにも応用が可能である。セラミド素材ごとの高純度セラミドの効能の評価が可能となり、より効能の高いセラミド製品の開発への展開が期待される。