2000年01月11日
化学業界の有害大気汚染物質の自主管理、順調に進展
中環審に環境庁が報告、10年度で7品目が前倒しで目標達成
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:日本化学工業協会、日本自動車工業会

 環境庁は7日に中央環境審議会の大気部会排出抑制専門委員会の第17回会合を開き、有害大気汚染物質対策に係わる自主管理の実施状況のチェックアンドレビューについて報告した。
 これは、大気汚染防止法の改正によって、アセトアルデヒド、アクリロニトリルなど合計13種類の物質を対象に平成9年度から事業者が実施してきた自主管理のうちの平成10年度における削減の実態を明かにしたもの。
 それによると、日本化学工業協会や日本自動車工業会など合計76団体の実施対象となっている13物質のうちダイオキシンを除く12物質の総排出量は、平成7年度の6万7,769トンから平成10年度には4万8,371トンに減っている。約1万9,000トン(29%)の減少だ。同年度の削減率は、最終目標年度である平成11年度の削減目標(平成7年度比35%)の84%に達したことになる。また、ダイオキシン類については、基準年である平成9年度に比べて38%の削減となった。平成11年度における総排出量ベースの削減目標の30%を超える削減である。
 10年度では、すでに9年度で11年度の削減目標を前倒しで達成ずみのアセトアルデヒド、1,2-ジクロロエタン、ホルムアルデヒド、二硫化三ニッケルの各物質に加えて1,3-ブタジエン、トリクロロエチレン、硫酸ニッケルの3品目が前倒しで目標を達成した。つまり合計7物資が目標を前倒しで達成したことになる。また、アクリロニトリルも達成率は99%と高い。11年度での目標クリアは確実といえる。ダイオキシン類も総排出量ベースの目標は達成ずみなので、全体に進捗状況は順調ということになる。
 中核団体である日本化学工業協会の自主管理の対象物質は、アクリロニトリル、アセトアルデヒド、塩ビモノマー、クロロホルム、1,3-ブタジエン、ベンゼン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ホルムアルデヒドの11物質。同協会ベースでは、11物質のうち、AN、塩ビモノマー、トリクロロエチレンの3物質を除く8物質
が当初の削減率目標を達成できている。ANもほぼ達成しているので、実際には塩ビモノマーとトリクロロエチレンが残っているだけだ。これらも11年度では目標をクリアーできると見られている。